珈琲


「あなたがあなたのままで 私が私のままでいたなら
今とは違う未来に出会えてただろうね
ゆっくりと木を眺めて暮らしていくのもいいけど
やっぱり生きてたいのよ 死んでないだけじゃ嫌なのよ」

夢見るような その横顔が
キレイだったから 目を逸らしてた

何かが消えかけていた 薄明りの部屋
アンコールのない夜に 二人珈琲を飲みながら話をした

「あなたはあなたのために 私は私のために
まだまだやれる事も やるべき事もあるでしょう?」

知らない街の 知らない人は
今じゃ誰より 知っているのに

誰かの声が聞こえた 夢の終わりに似て
まぼろしのような日々が 音もたてずに

夜が終わりに抱かれて また独りになった
アンコールのない夜に 二人珈琲を飲みながら
離しをした










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