老婆の夢

悲しみを乗せた列車で 戦場へと行く貴方を
「死なないで」と見送った 今は遠い遠い昔のこと

誰もが泣いて生きる この世知辛い世の中で
愛し愛されることなど 決して許されはしません
そんな大それた事を夢見ている
私など銃殺されても仕方ありません

それでも貴方と出会い 貴方と恋に堕ちて
まことの愛を知りました 朝の来ない部屋の中
こんな退屈な私でよろしければ
どうぞ傍に居て抱いてあげましょう

貴方が居れば何も怖くは無いと思ってた
揺るぎ無く信じていた
身体を重ね 赤いライトに揺れる
幸せを感じてた でも何か少し不安だった

こんな恵まれない時代に生をうけた
私は強かに生き抜いていかなければ

貴方と二人いつも観に行っていた
あの大劇場も機銃掃射に焼かれ
逆巻く土等 高く舞い上がる熱
逃げ込んだ砂浜で黒い船影を見た
貴方が居れば何も怖くは無いと思ってた
揺るぎ無く信じていたのに
身体を重ね 赤いライトに揺れる
幸せは今はもう遠い遠い夢の中

悲しみを乗せた列車で 戦場へと行く貴方を
「死なないで」と見送った 今は遠い遠い昔のこと


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