夜の果ての旅

空気の乾いた丑三つ時は妄想と苦悩に喉を痛めてる
二十六時に目覚めた身体は熱くウォッカじゃ満たされない
「マスター・・・もう一杯」

夢も希望も失くしたこの街じゃ野良犬なんかに向ける愛などない
はにかんだ空に真っ赤に背を向けて叫ぶ馬鹿が一人
「見たこと無い世界を見せてやろう」

暗闇に溶けていく
この夜は帰らない 次の朝日が昇るまで

明け方に酔い潰れて月明かりの下歩く
人のいない街並みが思いのほか悲しくて
脈絡の無い夜でした

間抜けな人混みから逃れ 不器用に漂うだけ

静寂に溶けていく
あの夜は還らない 次の日の出を待ちわびて

明け方ボロボロになり月に日々の夢を見る
冬の風が目に沁みて堪らなく哀しくて でも
一夜で燃え尽きる程この命安くはない
口笛を吹き歩いてく これが我が夜のパラダイス
脈拍の無い夜でした

空気の乾いた丑三つ時は妄想と苦悩に喉を痛めてる
二十六時に目覚めた身体は熱くウォッカじゃ満たされない


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